IT:新規電子書籍ショップは作家の希望になるか?

note:佐藤秀峰 2016/05/26 01:44
電子書籍は漫画家の希望となるか?

https://note.mu/shuho_sato/n/n736593947e6c

電子書籍は売り場の面積を気にすることはありません。古い作品でもストア内を検索するだけで容易に見つけることができますし、紙では絶版になった作品だって電子書籍ではお目にかかることができます。だけど、値段を見るとそれほど安い訳でもなかったりします。となれば、「同じ値段だったらやっぱり新しいタイトルを読みたいよなぁ」となるのが、読者の自然な心理です。各電子書籍ストアの売り上げランキングを見ても、新刊タイトルや映像化で話題の作品などが上位を占めています。作品をいくらでも置けるだけに、その中で古い作品を目立たせようと思ったら容易なことではありません。僕は古い作品にも必ず需要があるはずだと信じていました。素晴らしい作品であれば、読みたい読者はいるはずです。ただ、それを適切に読者に届けられていないだけなんじゃないか、と。

ITmedeiaニュース:電子コミック「11円」セールで売り上げ3億円超 トップ作家に印税1億3000万円 「常識打ち破る数字」

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1605/27/news116.html

電子コミック販売サイト「漫画onWeb」や電子書籍取次サービス「電書バト」などを運営する漫画家の佐藤秀峰さんは、2月に伝書バトが実施した、電子コミック131冊を各11円で販売するセールの効果で、2月の売り上げ総額が3億円を超えたことを明らかにした。売り上げトップだった佐藤さん本人には、1億3000万円以上の印税が入ったという。

出版不況の中、この結果が「すべての漫画家の希望となることを願っている」としている。

痛いニュース:電子コミック「11円」セールで売り上げ3億円超! トップ作家は印税1億3000万円

http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1883953.html

(ジュゲの視点)

これは朗報でした。これまで日本の電子書籍の発展を妨げていたのは明らかに既得権益たる出版業界でした。これは音楽業界でも同じでしたが、伝達速度や必要性の観点から出版業界の抵抗は極めて大きく圧力は強烈で、加えてアメリカで成功した大きな理由である、本屋が遠い、宅配が遅いといった部分が日本に該当しない為に遅れた側面もあると思います。更に電子書籍のメリットである物流が無いにも関わらず価格が同じとかふざけた設定も日本ぐらいなもので、そうしたキーになる部分が打開だれないが為に未だにKindleはじめKobo等の専用電子書籍リーダー端末を出している企業が苦戦を強いられている主な理由はそこに当たる気がします。

既得権益企業の抵抗はいまだ凄まじく、出版業界に限らず所謂 ツバツケ が横行しており、ツバはツケて囲うけど仕事は与えないという状態が散見されます。しかも外での活動を禁止するケースも多く飼い殺しの話を度々聞きます。こうした既得権益業界に頼らずどうにかならんものかと 村上龍 を始め独立し独自ルートを設ける動きがありましたが、既得権益の圧力は強大で厳しいものが見受けられました。そうした中で、まさに出版業界と決別した ブラックジャックによろしく の作者が様々な試みをしていたことは存じており、動きを追わせてもらいました。非常に具体的で行動力も旺盛、自らの収益を使い進み、最終的には電子書籍を中心とした自前の出版サイトを設け活動していたようですが、成功と言えるほどの結果を残したのは今回が始めたの気がします。

こうした成功が電子出版業界の新たな光明として展開してくれることを期待すると同時に、自らも働きかけ、協調していければな~なぞと考えております。権力者というのは圧政を強いるものなので、弱いものは助け合い、良い状態へと持っていければいいですね~。その為のキーは電子出版だと考えられます。私自身は紙媒体が好きなのですが、入り口として電子媒体があり、それが紙媒体へもつながる一つの流れが出来れば理想ですね~。物流を必要としない電子書籍は物理コストがない為に値段を下げられるメリットが大きい上、場所を取らない、バックストックを必要としない等、非常にメリットが高いです。

後はどうショップ同士が繋がるか、ショップ自身の特徴を明白にする必要もあるでしょうね。小さないショップは視点があるからこそ意味があるような気がします。系統のファンが集うような傾向が出てくればいいようにも思いますが、マトメサイトがここへ絡んでくると機能してくるような気がします。こうした流れが加速しない限り、日本は益々劣化する一途をたどるのではないでしょうか。